神の怒りで海に沈んだ幻の大陸アトランティス!プラトンが遺した「失われた王国」の真相

深海に佇む静寂の中、かつて世界を統べた伝説の都市が今も息をひそめているとしたら――

​ミステリーや都市伝説を語る上で、決して外すことができない永遠のロマン。

それが世界で最も有名で、最も美しい謎とされる超古代文明アトランティスです。

​1日と1夜の間に大地が揺れ、怒り狂う海へと没したとされる幻の帝国。

あまりにもドラマチックなその滅亡劇は、数千年の時を超えて今なお探検家や研究者、そして歴史のロマンを愛する人々の心を惹きつけて止みません。

​果たしてアトランティスは、哲学者が生み出した単なる空想の産物なのでしょうか。

それとも、かつて確かに存在し、歴史の闇に埋もれてしまった真実の王国なのでしょうか。

​始まりは哲学者プラトンの対話篇

​アトランティス文明の物語は、紀元前4世紀の古代ギリシャにまで遡ります。

希代の哲学者プラトンが著した『ティマイオス』と『クリティアス』という2つの対話篇。

ここに、すべての始まりとなる記述が残されています。

​プラトンによれば、この話はギリシャの立法者ソロンがエジプトを訪れた際、神官から伝授された古代の記憶でした。

​ヘラクレスの柱(現在のジブラルタル海峡)の彼方、広大な大西洋(アトランティック・オーシャン)の上に浮かんでいたのは、アフリカとアジアを合わせたよりも巨大な大島――

それがアトランティスです。

​海神ポセイドンを始祖とするこの王国は、豊かな自然資源に恵まれ、金や銀、そしてオリハルコンと呼ばれる輝く幻の金属が満ち溢れる最高峰の繁栄を極めていました。

​陸地は同心円状の美しい環状運河と巨大な城壁で囲まれ、中央の島にはポセイドンを祀る絢爛豪華な神殿がそびえ立っていたと伝えられています。

栄華の果てに訪れた「神の怒り」と悲劇の終焉

​神の血を引く王たちが治めていた初期のアトランティスは、非常に高い徳と知性を保ち、高度な機械技術と軍事力を誇っていました。

彼らの影響力は地中海沿岸にまで及び、世界に君臨する一大帝国として君臨していたのです。

​しかし、時代の流れとともに人々の血は薄まり、欲望と傲慢さが王国を蝕み始めました。

​富と力に溺れたアトランティス人は、世界を自らの支配下に置こうと武力侵攻を開始します。

しかし、高潔な精神を保っていた古代アテナイの軍勢によってその野望は阻止され、帝国は急速に衰退の道を辿ることとなりました。

​そして、人々の堕落に怒った全能の神ゼウスによって、運命の審判が下されます。

激しい地震と大洪水が襲い、わずか一昼夜の激動の末に、アトランティスは海の中へと呑み込まれ、姿を消した

​栄華を極めた超文明は、文字通りたった一日で世界から消滅したのです。

プラトンは、大陸が沈んだ後の海は浅瀬と化し、泥に覆われて航行不能になったと記しています。

科学の壁:実在を否定する現代の地質学

​現代の地質学や海洋学の観点から見れば、大西洋の真ん中に巨大な大陸が存在し、それが数千年前という短期間で沈没することは物理的に不可能とされています。

​プレートテクトニクス(プレート運動論)の研究により、大西洋の海底中央には大西洋中央海嶺が存在することが分かっており、ここは常に新しい海洋地殻が生成されて左右に広がっている場所です。

そこには大陸地殻のような広大な陸地が存在した痕跡はなく、地質学的にはアトランティス大陸の存在は全面的に否定されています。

​このため、アカデミズムの世界ではプラトンが理想国家の崩壊と道徳的教訓を示すために作った寓話(フィクション)というのが一般的な解釈となっています。

​しかし、物語はここで終わりません。

​完全なフィクションとして片付けるには、あまりにも現実と結びつく怪しい符合が世界中に転がっているからです。

舞台はどこだ?世界中で囁かれる「アトランティスの痕跡」

​もしプラトンの記述が、何か実際に起きた歴史的災害をモチーフにしていたとしたら――?

 探検家や考古学者たちは、今も世界各地でアトランティスの本尊を探し続けています。

​1. サントリーニ島(エーゲ海・サントリーニ噴火説)

​最も有力な説の一つが、紀元前1600年頃に起きたエーゲ海のサントリーニ島(テラ島)の大爆発です。

当時、この地域で栄えていた高度なミノア文明が、火山の破局噴火とそれに伴う大津波によって壊滅的な打撃を受けました。

この一夜にして高度な文明が失われた衝撃が、形を変えてアトランティス伝説になったのではないかと考えられています。

​2. アフリカの眼(サハラ砂漠・リシャット構造)

​近年、ネット上で最も熱く語られているのがモーリタニアのサハラ砂漠にある巨大な円形構造リシャット構造です。

上空から見ると、直径約40キロメートルの同心円状の地形が広がっており、これがプラトンの記述したアトランティスの環状都市のサイズや形状と驚くほど一致しています。

かつてサハラ砂漠が緑豊かな土地であり、巨大な津波が駆け抜けた痕跡があることから、海に沈んだのではなく、壊滅して砂に埋もれたのではないかというロマンあふれる説です。

​3. アゾレス諸島(大西洋の山頂説)

​大西洋上にポツンと浮かぶポルトガル領のアゾレス諸島。

この島々は、海底から突き出た巨大な山脈の山頂部分にあたります。

かつて氷河期で海面が今より100メートル以上低かった時代、ここには広大な陸地が存在していました。

氷が溶けて急激に海面が上昇したことで、陸地が沈んだように見えたのではないかという見解も存在します。

幻の金属「オリハルコン」は実在したのか?

​アトランティスを象徴するもう一つの謎が、黄金のように輝き、あらゆる金属の中で最も価値が高いとされたオリハルコンです。

​長年、架空の金属とされてきましたが、2015年にイタリア・シチリア島沖の古代の沈没船から、銅と亜鉛を主成分とする珍しい合金のインゴット(金属塊)が発見されました。

分析の結果、これが古代ギリシャ時代にオリハルコンと呼ばれていた黄銅(真鍮の一種)である可能性が高まり、世界中のミステリーファンを熱狂させました。

​神話だと思われていた記述の中に、こうした本物の事実が不意に混ざり込んでいることこそ、アトランティス伝説が持つ最大の魅力と言えるでしょう。

蒼い深海に眠る失われた夢

​科学的証明という冷徹な光を当てれば、アトランティスは崩れ去る砂の城かもしれません。

​しかし、紀元前の人々が夢見、現代の私たちが探し続ける完璧すぎた都市の記憶は、単なる嘘の一言で片付けるにはあまりにも美しく、そして切ないストーリーを秘めています。

​広大な大西洋の水平線を眺めるとき、あるいは砂漠の果てを見渡すとき、私たちの心は過去へとタイムスリップします。

​滅び去った幻の帝国は、もしかすると海底ではなく、人間の知的好奇心とロマンという深海の中で、今も変わらぬ輝きを放ち続けているのかもしれません。

筆者のひとりごと

​ムー大陸もいいですが、やっぱり洗練された都市美と神の怒りという悲劇性を含んだアトランティスは別格のカッコよさがありますね!

個人的にはサハラ砂漠のリシャット構造をGoogle Earthで拡大して眺めるのが大好きで、あの綺麗すぎる同心円を見るたびに絶対ここ城跡だろ…

と一人でニヤニヤしています。

もしオリハルコンでできたアクセサリーとか売ってたら即買いしちゃいそうです(笑)。

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